2002年5月に竣工した、キリスト教会の木製の玄関扉の塗り替えを行いました。
築7年以上経過して色焼けや色落ちで、風格や味わいも増してきていたのですが、下部の雨の飛び散る箇所にはカビも現れて来たのでメンテナンス工事のご依頼があり施工しました。
(左)施工前の状態。下部の白っぽくなっている部分は、防腐剤の効力が薄れカビが発生しています。(右)下部のカビ部分のアップ写真。真菌性のカビが見られます。これを完全に取り除いてから再塗装する必要があります。
(左)下地処理1日目 シミ抜き剤、ガビ取り剤を塗布した直後の写真。この後充分に乾いたら、丁寧に4回から5回、水ぶきをします。(右)下地処理2日目 左の状態から3日間経過した状態。完全にカビが取れて木材の素地が現れています。ペーパーで丁寧に研磨して表面をさらに滑らかにした後、再塗装を始めます。
施工完了時の写真。
本塗りは、最初の設計と同様のキシラデコールです。
防腐性の効力は5年前後で次回のメンテナンスの目安となり、このメンテナンスを繰り返すことで現れてくる、木製扉独特の温かさや風合い、貫録は、金属性の扉では、味わえないと思います。
職人さん曰く、
「キシラデコールは、乾くのに時間がかかるので、1日ではなく、間隔をあけ2日間にわけて施工するのがよい。完全に乾かない内に次を塗ろうとしても最初に塗った塗料まで引っ張ってしまう。」との事。1日目の状態でも、充分だったのに、納得いかないと言われて、3日後さらに手を入れて頂きました。
抜かりのない拘った施工、感謝しております。